CONTENTS JAとは・JA綱領

JA(農業協同組合)とは

JAとは、相互扶助の精神のもとに農家みんなの営農と生活を守り、地域のJA事業を利用したい人々と一緒に、よりよい地域社会を築くことを目的としてつくった協同組合です。現在では、安全・安心農畜産物の供給や国土保全の役割を担う農業の維持発展をお手伝いしています。この目的のために、JAは営農指導や生活指導をするほか、生産資材・生活資材の共同購入や農産物の共同販売、貯金の受け入れ・資金の貸付、農業生産や生活に必要な共同利用施設の設置、万一の場合に備える共済、農産物直売所、健康を守る厚生事業等を行っています。

JAは農協のニックネーム

JA(ジェイエー)という名前は、「農業協同組合」の英語表記の頭文字をとってつけられたニックネームです。シンボルマークは緑のアルファベットのJとAを組み合わせたデザインで、どっしりとした大地と人と人のきずなのイメージを表したものです。農家だけではなく、みなさんといっしょに地域のくらしづくりをしていこうと、親しみやすい呼び名とマークを使うことになりました。

株式会社との違い

協同組合は、その設立の基本的考え方や組織の運営について、株式会社とは大きく異なった協同組合独自の考え方や運営原則をもっています。

相互扶助が基本的な考え方

協同組合を組織しているのは、一人では経済的に弱い立場にある農業者・漁業者・森林所有者、あるいは勤労者・消費者・中小の事業者です。そして協同組合は、一人ひとりでは弱い立場の人々が、連帯し助け合うという相互扶助の精神を基本的な考え方としています。これに対し、株式会社を構成している株主は、投資家や法人です。これらの株主は一般に高い株式配当を期待することから、株式会社はより多くの利潤を確保するための競争原理をその基本的な考え方としています。

目的は生産や生活の向上

協同組合の目的は、組合員の生産や生活を守り向上させ(組合員の経済的社会的地位の向上)、究極的には公正な社会をつくっていこうとするところにあり、協同組合自体の利潤の追求や出資配当を目あてとした営利を目的としていません。こうした協同組合の非営利思想は、協同組合の誕生以来、一貫して持ち続けてきているものです。

組織者、利用者、運営者が同一人

協同組合を組織する者が組合事業の利用者であり、同時に組合を運営していく運営者でもあるという特徴をもっています。つまり、組織者と利用者と運営者が同一人だということです。組合員の、組合員による、組合員のための組織。これが協同組合の基本的性格です。

協同組合と株式会社との一般的な違い

項目 協同組合 株式会社
 組織者 農業者、漁業者、森林所有者、
勤労者、消費者、中小の事業者
投資家、法人
組織者の名称 組合員 株主
目的 ・組合員の生産と生活を守り向上させる(組合員の経済的社会的地位の向上)
・事業利用を通して組合員に奉仕
・利潤の追求
・利益金分配を通して株主にサービス
利用者 組合員 不特定の顧客
運営方法 1人1票制
(人間的平等による民主的運営)
1株1票制

JA綱領

JA綱領は組合員・役職員共通の行動理念

JAの経営活動には、社会的価値と人間的価値という二つの側面があります。「社会的価値」には「協同組合活動を通した社会への貢献」と「経営維持保証利益の確保」があり、「人間的価値」には「組合員の幸福の実現」と「役職員の幸福の実現」とがあります。 JAはこの4つの願いを達成する社会的責任があり、その実現のための行動理念が「JA綱領」です。組合員・役員・職員が共有すべき理念とも言えます。また、1997 (平成9)年の第21回JA全国大会で、前述のICAの協同組合新原則に対応し、前述の「四つの願い」の実現に向け、JAの基本的な価値・役割や新たなJA運動の展開方向について、組合員・役職員の組織・事業・経営の改革をすすめ、将来にわたるJAグループの発展の契機となるよう、新たな「JA綱領」を制定しました。この「JA綱領」は、組合員・役員・職員が、それぞれの期待される役割と責任を果たすという観点から、JAグループの組合員、役職員の統一綱領として制定されたことが大きな特徴となっています。

JA綱領
─わたしたちJAのめざすもの─

わたしたちJAの組合員・役職員は、協同組合運動の基本的な定義・価値・原則(自主、自立、参加、民主的運営、公正、連帯等)に基づき行動します。そして、地球的視野に立って環境変化を見通し、組織・事業・経営の革新をはかります。さらに、地域・全国・世界の協同組合の仲間と連携し、より民主的で公正な社会の実現に努めます。このため、わたしたちは次のことを通じ、農業と地域社会に根ざした組織としての社会的役割を誠実に果たします。

わたしたちは

  • 地域の農業を振興し、わが国の食と緑と水を守ろう。
  • 環境・文化・福祉への貢献を通じて、安心して暮らせる豊かな地域社会を築こう。
  • JAへの積極的な参加と連帯によって、協同の成果を実現しよう。
  • 自主・自立と民主的運営の基本に立ち、JAを健全に経営し信頼を高めよう。
  • 協同の理念を学び実践を通じて、共に生きがいを追求しよう。
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