NEWS 【生産者インタビュー】笑顔を育む「ちば」のお米 vol.1

逆境と試行錯誤の末にたどりついたコンクール入賞米

匝瑳市 金杉さん

 昔から、このあたりの田畑は、砂地で美味しいお米は作れないと言われてきた。砂地は、水はけが良すぎて肥料分や水を保つ力が弱い。ならば「徹底管理すれば必ず美味しいお米が作れるはず」という思いから、金杉さんの挑戦が始まった。コストと手間を惜しまない「逆境のコンクール入賞米」を訪ねた。

独自に編み出した肥料設計は職人技で丹念に仕上げている土壌。

砂地の田んぼというハンディキャップから

 「美味しいお米は作れない!」と言われてきたこの地で米作りを続けてきた金杉さん。砂地田んぼの水管理はとても難しく、害虫もつきやすい。ブランド米のように土壌も良いわけではない。誰よりも田んぼを世話すること。白鷺より田んぼに入っていると言われるほどお米に対する情熱は誰よりも熱い。令和元年「米・食味分析鑑定コンクール」で金賞を受賞。そのお米はJAちばみどり直売所「みどりの大地」でも期間限定販売されている。

普通の稲作では与えないが、念入りに肥料を与える。

徹底管理の裏にある味への追求

 今の米作りの主流は、多収穫で場所によってお米の味が違ったりする。僕の田は、約25haあり、管理できる限界の中で、どこを刈っても味は変わらないお米を日々目指しています。千葉県は早場米(はやばまい)で新米の香りは楽しめるけれど、早く刈ってしまうと香りなどはすぐにとんでしまい、酸化によってお米の劣化も早くなる。美味しさを追求するならば、遅く植えて、遅く刈る。昔ながらの作り方にこだわっています。

冷えても美味しいと、食感や甘みに定評。

コストと手間は惜しまない

 価格や見た目だけで言えば、早場米や多収穫の方が良いです。こればかりはヒトがつくり出した市場が関係しているので。しかし、徹底管理の上で、メリハリの効いた育て方をすれば、台風や猛暑に負けない稲穂が育ちます。コストと手間はかかりますが、そこまで追求したからこそ、今があると思っています。コンクール専用のお米を作っているわけではなく、本当のお米の味や魅力を多くの人に知ってもらいたい一心で作っています。

笑顔で見据える未来

 僕のお米は、形でいったらコンクールではじかれてしまいますが、食味によって多くの人に支えられています。米農家全体の底上げをもっとしていきたい。「美味しい」以上の気づいた点をもっと教えて欲しい。息子に継がせるとかは、今の状況ならば勧めはしないけれど、やるといったら考えます。今の僕のお米には、なかなか辿り着かないだろうけど。秋になったら、また来て下さい。僕の田んぼは黄金色になりますから。

お米の魅力を語ってくれた生産者の皆様
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